JTBが減資するという事で、ある程度会社の方針が見えてきた

雑記

国内旅行業最大手のJTBが減資することを発表しました。もともと23億円の資本金を1億円にするという内容です。

企業規模は誰が見ても大企業ですが、減資することで中小企業の扱いを受けて税制などで有利な体制を構築しようとしています。

過去、このような事例はいろいろとありました。

現時点の世の中での、特に影響を受けている業界においては、体裁を気にしている場合ではなくなってきていると思われます。

今後の各種業界の動きを解説してみましょう。

少しお付き合いいただければ、転職をお考えの方々のみならず、仕事に生かせるヒントをつかんでいただけるかと思います。

 

JTBの減資が意味するところ リストラ

以前、JTBは旅行の取り扱いの急減による業績の悪化を理由に人員の削減、営業店舗の削減などを思い切って実施することを発表しました。

ちょっとした削減ではなく、インパクトのある内容でした。

今回の減資は、追加のリストラ策です。

リストラって、人減らしみたいに捉えられている部分もありますが、リストラクチャリングといって非効率な部分を整理、統合しながら事業を再構築することです。

今回のリストラの内容は、財務面での施策を打ち出した、ということになりますね。

資本金が少なくなると、利益が出たときに配当するとき、配当は少なくて済みますし、税制面でも中小企業の扱いになるために有利に働きます。

JTBは、中小規模の扱いでも良いから生き残るために少しでも有利な状態を造り出そうという動きと理解するのが妥当と思われます。

 

旅行業の現状は非常に厳しい

政府が推し進めるGO TOキャンペーンも、新型コロナウィルス感染者が減らずに中止となっています。

緊急事態宣言も、もうそろそろ解除されるのでは、と思われますが、急に旅行需要が回復することにはならないでしょう。

一部の人々は待ってましたとばかりに行動を開始するでしょうけれど、多く人が動くとどうしてもそれに付随して会食の機会が増えますから、また感染者数が増えて・・・、という流れになりかねません。

筆者の住んでいる最寄り駅、また職場近くの商業施設の旅行業店舗、が撤退という旅行会社もあります。

一昨年までは、夕方以降にその旅行会社の店舗を覗くと、常にお客さんがカウンターにいたのですが、この変わりようは何とも言えません。

 

旅行関連の業界の現状を考える

 

色々な業態をひっくるめて旅行業界と言ったりしますが、もう少し細分化してとらえてみたいと思います。

宿泊業

旅行が無いと宿泊の機会もなくなりますので、非常に厳しい状態にあるのは間違いありません。

もうしばらくして、首都圏の緊急事態宣言が解除されたとしても、しばらくは客足が戻ることは期待できないでしょう。

一部の人たちは大喜びで旅行に出かけるかも知れませんが、GO TOトラベルの適用内容が明確になって、状況が明らかになってから徐々に客足が戻る、ということになると思われます。

GO TOトラベルを継続して実施するとしても、政府援助の割合が低下することも考えられます。

それによっては、今無理して旅行しなくてもいいや、ということで急な回復は見込めないでしょう。

交通

鉄道、バスなどの公共交通機関も大きな打撃を受けていますね。大手電鉄会社の決算情報が新聞などで公表されていますが、今までにない減収減益を強いられています。

人の移動が減少したままの状態がこのまま続くとなると、今の体制では経営が成り立たなくなります。

事業内容を再構築する必要性が出てくる電鉄会社も出てくるでしょう。

電鉄会社でも売り上げ構成が物販、不動産、その他事業の鉄道運送以外の比率が比較的高い会社では、それぞれの部門をさらに強化するなどの対策を講じることも可能です。

まさに経営者の対応能力が試される時だと言えます。

テーマパーク業界

TDL,USJなどのテーマパーク事業も人の移動を伴う事業です。ホテル、なども併設されている大規模なテーマパークもあります。

TDLも閉園期間があったり再開しても時間短縮の営業のため、赤字に陥ってしまっています。

あれだけ人気があっても、こういった状況下ではまともに人が動けないため、健全な経営が成り立たなくなるのです。

飲食業

人は食べないと活動できませんから、旅行には飲食がつきものです。

セットで考えないといけない業界ですが、やはり人の移動が伴わないと収益が上がりません。

なかなか厳しい状況を脱することができない状態です。

観光地は別として、人の生活圏にある飲食業(飲食店)はテークアウト営業を強化して従来より売り上げを伸ばしているところもあるようですが、一般的には厳しい状況にあるようです。

航空機製造メーカー

旅行業界とは言えないと思いますが、関連する業界です。

旅行者が世界的に激減している現在、航空会社も飛行機に乗ってくれるお客様がいないので飛行機の需要が減ったままです。

航空機も発注して納入されるまでの期間が長いので、新型コロナ感染が拡大する前に発注していた物件がキャンセルになった例が多発したようです。

筆者の勤めている会社で、航空機に搭載する機器の部品を扱っていますが、生産開始の時期が一年先に延びたものもあって影響を感じています。

尚、国内の大手航空会社では、現状では人員が過剰なので他の業種で逆に人員に不足感のある企業へ出向させて、その場を凌ごうという動きをとっている例もあります。
参照:出向扱いを考える ANA JAL社員の一部を家電量販店ノジマへ

 

今後の動き

人の移動が制限されている状況において、旅行業界の回復は期待できないですが、数年かかって以前の活況を呈する時期が来るでしょう。

この前、GO TOトラベルキャンペーンが実施された際には多くの人々が旅行に出かけました。政府の支援があったからこそ、と言えるかも知れません。

しかし、基本的に人々は余暇を楽しむ、動くことをしたいわけです。

この状況下においても若い人を中心に遊びに出たいんです。

辛抱強く自粛している人が多い中ですが、その人々も行動したがっているに違いありません。

 

旅行及びその関連業界で、今までどおり活躍していこうという人、この状況を機に違う業界に転職を考えようという人、様々だと思います。

 

今、自動車関連、その他産業機器関連の企業は活況を呈しています。

旅行関連業界以外の業界は、ほとんどコロナ禍以前の状況に戻っています。半導体は需要が旺盛で供給が追い付かず逼迫しています。

半導体関連業界では人の募集が多いのを知っていますか。

調べればわかりますが、現実です。

決して転職を勧めているのではないのですが、もし自分がそれを考えているのであれば後々後悔しないように行動してみるのも良いかも知れません。

検討しておきたい転職エージェント

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まとめ

旅行および旅行関連業界の厳しい状況はしばらく続きますが、回復には数年かかると思われます。

それ以外ではコロナ禍以前か、それ以上の活況を呈している業界も多いことを認識する必要があります。転職を考えているのであれば、視野を広く、冷静に、工夫を凝らした情報収集をすることにより道が開けてきます。動くことです。

 

 

 

 

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